ポイント

  • 活性型ビタミンD3製剤と酸化マグネシウムの併用は高マグネシウム血症のリスクを高める。
  • ビスホスホネート製剤と酸化マグネシウムを併用するとビスホスホネート製剤の吸収が悪くなり、骨粗しょう症の治療効果が弱まる。
  • カルシウム製剤と酸化マグネシウムの併用は高カルシウム血症のリスクを高める

 

医師はいろいろな病気を診ています。

その中で、慢性の便秘症の患者さんの対応をする場合、体質の問題であると考えられたりして、何かの下剤を出しておけばいいと安易に考えられてしまうこともあると思います。

しかし、深く検討されずに下剤を出されてしまい、飲み合わせの問題が発生してしまうことがあります。

その1例に、骨粗しょう症の方の慢性の便秘症の治療があります。

骨粗しょう症

骨粗しょう症の患者は、高齢化に伴い、増えてきています。

男女差でみると、8割弱が女性であり、圧倒的に女性に多いです。

女性は閉経後に年齢が進むと骨粗しょう症になる人が急に多くなります。

骨粗しょう症のある方は便秘にもなりやすいです。

慢性便秘症

慢性の便秘は若い人では女性に多いですが、高齢になると男も女も増えます。

つまり、骨粗しょう症も慢性の便秘も年をとるとなりやすいです。両方の病気を持っている人も多くなります。

しかし、骨粗しょう症の薬と慢性便秘症の薬は、飲み合わせが悪いものがあります。

内科で骨粗しょう症も慢性便秘症も診てもらっているならばまだいいのですが、骨粗鬆症は整形外科で診てもらい、慢性の便秘は内科で診てもらっているときは注意が必要です。

それぞれの先生がもう一人の先生の処方を把握していない場合、飲み合わせの悪い薬がだされてしまう可能性があります。

骨粗しょう症と慢性便秘症の両方の病気がある方の治療のポイント

骨粗しょう症と慢性便秘症の両方の病気をもっている方では、生活習慣の改善、運動療法が大事です。これらは骨粗しょう症と慢性便秘症の両方に効果があります。

適度な運動をすることで骨粗しょう症の方は骨折しにくくなります。骨密度も改善しやすいです。

慢性便秘症の原因の一つに運動不足があります。近所を少しの距離歩くだけでもよいので、日常的に運動することを習慣にするといいでしょう。

薬による治療の場合にはそれぞれの薬剤がしっかりと効果を発揮できるために、飲み合わせを考える必要があります。

慢性の便秘の薬には骨粗しょう症の薬と一緒に飲むときに注意しなければならないものがあります。

たとえば、骨粗しょう症の治療薬としてよく処方される活性型ビタミンD3製剤は、便秘症の治療薬としてよく処方される酸化マグネシウムと一緒に飲むと、高マグネシウム血症の副作用がでるリスクが高くなります。

また、骨粗しょう症でよく使われる薬にビスホスホネート製剤があります。これも、酸化マグネシウムと一緒に飲むとビスホスホネート製剤の吸収が悪くなり、治療効果が弱まることがあります。

骨粗しょう症の方はサプリメントも含めてカルシウム製剤を摂取している可能性があります。カルシウムを服用しているかどうかも確認が必要です。なぜなら、カルシウム製剤を酸化マグネシウムと一緒に飲むと、高カルシウム血症になることがあるからです

このように、薬の飲み合わせの問題があるため、骨粗鬆症の方が便秘の薬を飲むときには、併用の注意点を理解しておかなければなりません。

そのために、骨粗鬆症の方は自分が骨粗しょう症のどの種類の薬を飲んでいるかを確認するようにしましょう。

処方する先生は自分の処方する薬については把握していますが、他の先生が処方している薬までしっかりと把握できていないかもしれません。

骨粗しょう症の方が便秘で医療機関を受診する際は、飲み合わせについて確認するとよいでしょう。

 
ランキング1位
ランキング2位
ランキング3位