はじめに
便秘を改善する食べ物としてヨーグルトや食物繊維を多く含む野菜などがよく知られています。
実は、ヨーグルトや野菜に負けず劣らず、便秘を改善するのに役立つ食品がもう一つあります。それは、きなこです。
この記事では、きなこがとても優れた食べ物であることや便秘改善に有効な理由、またきなこの便秘改善以外の効果や有効な摂取の仕方について解説します。
きなこは栄養が豊富でとても優れた食品である
きなこは、炭水化物やタンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質、カルシウムなどの豊富な栄養を含んでおり、とても優れた食品です。
きなこが素晴らしい食品であるのは、大豆を原料にして作られるからです。きなこを食べることで大豆の栄養を体に取り入れることができるのです。
きなこの栄養価はとても高いので、実際、別名で「畑の肉」とも呼ばれています。
このようにきなこは大豆と同様の栄養を豊富に含むとても優れた食品です。
きなこは便秘を解消する
きなこには、大豆オリゴ糖と食物繊維の両方が含まれています。大豆オリゴ糖と食物繊維のどちらも便秘を解消する働きをもっています。
大豆オリゴ糖
きなこに含まれる大豆オリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やすことで便秘の解消に役立ちます。
なぜなら、善玉菌は乳酸や酪酸などを産生し、腸内を酸性にするからです。その結果、悪玉菌が増えるのが抑えられ、腸に刺激が与えられてその動きが活発になり、便秘が解消します。
悪玉菌に支配された腸の動きと善玉菌が豊富な腸の動きは、たとえるなら、普通列車と新幹線ほどにスピードが違います。普通列車では移動に約10時間かかりますが、新幹線なら3時間程度で移動できます。
このように、大豆オリゴ糖は腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らし、腸の動きをよくすることで便秘の解消に役立ちます。
食物繊維
きなこに含まれる食物繊維は、可食部100gあたり16.9gです。このうち、1.9gが水溶性食物繊維であり、15gが不溶性食物繊維です。以下でこれらの2つの食物繊維が便秘を解消するのに役立つメカニズムについて説明します。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維であり、腸の動きを改善することと便を柔らかくすることにより、便秘を改善します。
水溶性食物繊維が腸の動きを活発にする理由は、オリゴ糖と同じです。つまり、腸内の善玉菌を増やすことで腸の動きを助けるからです。
水溶性食物繊維が便を柔らかくする理由は、それがお腹の中でゼリー状になり、便に水分を与えるからと、ねばねばしたりぬるぬるしたりする性質をもっているからです。
乾燥わかめはとても固く、かどで皮膚の柔らかいところをこすれば痛みを感じるほどです。これに水分を加えるとやわらかくなり、ぬるぬるとした食感がうまれます。便に対する水溶性食物繊維のはたらきは、乾燥わかめに対する水のそれといえます。
このように水溶性食物繊維は腸の動きをよくすること、また便をやわらかくしてぬめりを与えることで便をやわらかくすることによって便秘の解消を助けます。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維であり、便のかさを増やして腸の動きをよくすることで便通を改善します。
腸の内容物が多いほど腸が引き延ばされ、それが腸への刺激になります。引き延ばされた刺激を受けた腸は、収縮する動きも強くなります。
小さく引いた弓の弦は、小さく戻ります。大きく引いた弓の弦は勢いよく戻り、強い力を発揮します。
このように、不溶性食物繊維は便のサイズを大きくすることで腸への刺激を増やすため、腸の動きも強くなるため、便秘の改善に寄与します。
まとめると、きなこに含まれる食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方であり、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸の動きを助けることと腸の中でゼリー状になり便に水分を補給して便をやわらかくすることで便秘を改善し、不溶性食物繊維は便の大きさを大きくして腸へ刺激を与えることで腸の動きを活性化させることで便秘の解消に役立ちます。
きなこの便秘解消以外の効果
これまでできなこがとても優れた食品であることと、便秘の解消にとても効果的であることを説明しました。
次に、きなこがもつ便秘解消以外の効果についても説明します。
きなこは、便秘を改善する働きのほかにも、美容、更年期障害の予防、ダイエットに効果的です。
美容効果
きなこはイソフラボンを含んでいるため、美容にいいです。
イソフラボンとは、赤ワインなどにも含まれるポリフェノールの一種であり、女性ホルモンの一つであるエストロゲンに似た働きをします。
エストロゲンは女性の美しさや若々しさの源です。肌の新陳代謝を促して肌を若々しくしたり、髪のつややはりを保ちます。
エストロゲンが充分な女性の美しさは地デジの画面に、不十分な女性のそれはアナログテレビの映像にたとえられます。
このようにきなこに含まれるイソフラボンはエストロゲンに似た働きをするため美容にいいです。
更年期障害の予防
前述のとおり、きなこにはイソフラボンが含まれます。イソフラボンはエストロゲンと似た働きをもち、更年期障害を予防します。
更年期とは、女性が年をとるにつれて子供を産むことができるカラダから子供を産めないカラダに変化する移行期のことであり、閉経の前後5年間、トータル10年間の時期のことです。
更年期障害とは、この更年期にさまざまな症状がおこり、それらの原因が特別な病気ではないもので、日常生活に支障がでるような病態のことです。
更年期障害の原因の一つに、エストロゲンの低下があります。エストロゲンは年を取ると分泌が少なくなります。
きなこを摂取することでイソフラボンをカラダに取り入れることで、更年期障害を予防できるというわけです。
甲状腺機能低下症という病気があります。甲状腺は、甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺ホルモンは、代謝をよくする、交感神経を刺激するなどのはたらきをもちます。
甲状腺機能低下症になると、甲状腺ホルモンの量が減るため、代謝が悪くなることでむくみがでたり、寒がりになったり、便秘になったりします。
甲状腺機能低下症は、飲み薬で治療できます。自分の体で甲状腺ホルモンを十分な量、作れなくなったことが病気の原因なので、甲状腺ホルモンを外から補えばいいのです。
更年期障害も同じように、エストロゲンが足りないのでエストロゲンを補うことで予防することができます。
このように、きなこにはイソフラボンが含まれており、それがエストロゲンと似た働きをするため、きなこを摂取することで更年期障害を予防する効果があります。
ダイエット効果
きなこにはサポニンが含まれており、これが脂肪の蓄積を防ぎます。
サポニンとは植物の根、葉、茎などに含まれている苦みの成分のことです。コーヒーや抹茶の苦みはサポニンによるものです。
サポニンは血管にこびりついたコレステロールや中性脂肪などの余分な脂質を取り除いて肥満になるのを防ぐ働きをもっています。
油をさわったあとの手はべたべたしています。石鹸で手を泡立だせることで効率よく油を落とすことができます。サポニンも水を加えると泡立ちます。サポニンは手洗いの時の石鹸と同じようなはたらきを血管内の脂質に対してももっています。
このようにサポニンは血管内の脂質を除去することで脂肪の蓄積を防ぎ、肥満予防に役立ちます。
きなこのおすすめの摂取量
次に、きなこのおすすめの摂取量について説明します。
きなこは、1日に20~40g摂取することが一つの目安になります。これは、大さじでいうと4~8杯程度になります。
摂取量が少なすぎれば効果がないですが、多く摂取することを念頭に置きすぎて続かない場合も効果が少ないです。
中庸という言葉があります。極端ではなく、片寄っていないことを指す言葉です。きなこの摂取量も少なすぎずかつ多すぎないことが大事です。
このように、きなこは1日に20~40g摂取することを目安にするといいです。
きなこを使ったおすすめのレシピ
最後に、きなこを効率よく摂取するためのおすすめのレシピを紹介します。
きなこはいろいろな飲み物や食べ物に混ぜることで摂取しやすくなります。具体的には、牛乳、豆乳、ココア、ヨーグルトなどに混ぜるのがおすすめです。いずれの場合にも、混ぜるきなこの量は個人の好みで調節することができます。
きなこ+牛乳
きなこと牛乳を混ぜて飲みます。きなこの量は自分の好きな量で混ぜて大丈夫です。牛乳は多くの家に常備されており、手軽です。
きなこ+豆乳
きなこと豆乳を混ぜて飲むこともできます。この場合も、きなこの量はお好みで調整して問題ありません。この組み合わせでは豆乳に含まれるイソフラボンも同時にとることができます。
きなこ+ココア
きなことココアも混ぜることができます。やはり、きなこの量に制限はありません。この組み合わせではココアの食物繊維も同時にとることができます。
きなこ+ヨーグルト
きなことヨーグルトを混ぜるのも可能です。ヨーグルト自体のも整腸作用があるため、便秘に対する相乗効果を期待できます。
きなこ+味噌汁
きなこを味噌汁に入れるのもおすすめです。味噌汁は発酵食品です。きなこと合わせて腸内の善玉菌を増やし、便秘を解消する働きを強めることができます。
きなこを使ったレシピはいろいろありますが、日々、継続して摂取することを考えると、牛乳、豆乳、ココア、ヨーグルト、味噌汁など、日常的に口にすることができる食品との組み合わせがおすすめです。
まとめ
この記事では、きなこがとても優れた食品であることやきなこが便秘解消に役立つ理由、きなこのもつ美容効果、ダイエット効果、更年期障害を予防するはたらき、さらにきなこのおすすめの摂取量とレシピについて解説しました。
きなこは、大豆とほぼ同じ栄養分を含んでおり、とても優れた食品です。
きなこには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸の動きを助けることと腸の中でゼリー状になり便に水分を補給して便をやわらかくすることで便秘を改善します。
不溶性食物繊維は便の大きさを大きくして腸へ刺激を与えることでその動きを活性化させることで便秘の解消に役立ちます。
きなこには便秘改善の働き以外にも、エストロゲンに似た働きをもつイソフラボンによる美容効果、更年期障害予防効果、サポニンの働きによるダイエット効果などがあります。
きなこは1日に20g~40g摂取することがおすすめであり、おすすめのレシピとして、牛乳や豆乳、ココア、ヨーグルト、味噌汁などに混ぜるものがあります。
