一般に、便秘の改善には食物繊維が有効であると言われています。しかし、便秘にもいろいろな種類があります。

すべての種類の便秘に食物繊維が有効なわけではありません。一部の便秘に対して食物繊維はとても有効です。一方で、食物繊維をとらない方がよい便秘もあるのです。

この記事では、便秘の種類を解説し、そのあとで食物繊維が有効な便秘とそうでない便秘とその理由について解説します。

便秘の種類:器質性便秘と機能性便秘

はじめに便秘の種類について説明します。

便秘とは、本来カラダの外に出すべき 便を十分量かつ快適に出せない状態です。そして便秘は、器質性便秘と機能性便秘の2つに大きく分けられます。

器質性便秘

器質性便秘は、大腸癌や直腸瘤などの病気があり、腸管の内側の空間が狭くなるなど、腸の形態の変化や異常が原因で起こります。

出典:便秘のいろいろ

器質性便秘は腸の形の異常を伴うため、大腸内視鏡検査や腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などの画像検査などで原因をみつけやすいです。

機能性便秘

機能性便秘は、胃、小腸、大腸など、消化管の働きが悪くなったことが原因で起こります。

機能性便秘は腸の形の異常を伴わず、腸の蠕動運動などの動きの低下が原因で起こるため、大腸内視鏡検査や画像検査を行っても異常が見つかりません。

 

機能性便秘の分類:排便回数現減少型と排便困難型

機能性便秘はさらに2つに分けられます。それは、排便回数減少型と排便困難型です。

排便回数減少型の便秘

排便回数減少型の機能性便秘は、排便の回数や便の量が減り、腸に便が貯まることでお腹の張りや腹痛などが起こる便秘です。便の量が少ないため、腸の蠕動運動が促されないため、便が腸の中に長い時間とどまることで、便の水分が吸収されて硬い便になるため、排便困難になることもあります。

排便困難型の便秘

排便困難型の便秘は、排便時に直腸内の糞便を十分量かつ快適に排出できず、排便困難や不完全排便による残便感を生じる便秘です。

食物繊維が有効な便秘

食物繊維を摂取することが改善に有効な便秘は、排便回数減少型の便秘と弛緩性便秘です。

排便回数減少型の便秘

便の通過は正常なのに排便回数が少ない排便回数減少型の便秘では、まず食事量と食物繊維の量を増やすことが重要です。それでも便秘が改善しない場合は下剤を使うことを考慮します。

ダイエットなどで十分な食事を取らずに便秘になっている場合は、「食物繊維」だけでなく「3度の食事」をしっかり取ることが大事です。

弛緩性便秘

普段運動の習慣がない人は、大腸の中の便を移動させる力が低下して起こる「弛緩性便秘」になることがあります。

日本人の2/3がこのタイプだと言われています。

弛緩性便秘の人は、体力や筋力を高めるためにウォーキングを行う、ストレッチをしてお腹周りを動かすなどの習慣をつけるのがオススメです。

食事という観点では、充分な食物繊維と水分を一緒に摂ることが重要です。また、脂質や冷たい水で腸を刺激することも有効です。

食物繊維の摂取を注意しなくてはいけない便秘

食物繊維の摂取で悪くなる可能性がある便秘は、器質性便秘と痙攣性便秘です。

器質性便秘

「器質性の便秘」は、食事や生活習慣に気を付けていても改善しないことがあります。むしろ、食物繊維の取りすぎが原因で腸閉塞(腸が詰まること)を引き起こす恐れもあります。

器質性便秘では、服薬だけでなく外科的な治療(手術)が必要になることもあります。

高齢者の便秘

腸の動きや消化吸収能力が低下している高齢の方には、むやみに多量の食物繊維を取ることはお勧めできません。

多くの食物繊維が含まれている海藻類やきのこ類、根菜類は毎日摂取することが望ましいのですが、このように消化に時間がかかる食べ物の摂取は、高齢者の腸に負担がかかることがあり、腸閉塞の原因になることもあります。

痙攣性便秘

ストレスなどにより腸が常に緊張して動き、腸の運動が強くなりすぎて、便秘と下痢を繰り返すのが痙攣性便秘です。

腸の刺激を軽減させた方がよいので、水に溶けにくい不溶性食物繊維はオススメ出来ません。

痙攣性便秘では、ゆっくりとお風呂に入ったり、睡眠時間をたっぷりとったりとリラックス出来る環境を整えることが有効です。

 
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