便秘に苦しむ人は下剤を気軽に使ってしまいがちです。それは、下剤はドラッグストアで簡単に買える上に値段も安く、とても簡単に排便できるからです。

しかし、下剤を使用し続けていると、やがては下剤がなくては排便できないようになり、便秘が増悪します。なぜなら下剤は腸内にたまった便を無理やり出すだけの薬であり、排便するための機能を治療するものではないからです。ですから、ただ便を出すだけでなく便秘の体質そのものを改善するためには、生活習慣を見直す必要があるのです。

ここでは便秘を解消するためにチェックすべき7つの生活習慣である、「朝食をしっかりと食べる」、「便意がなくても朝食後にはトイレに行く」、「1日1.5~2Lの水分をとり、便の柔らかさを保つ」、「ストレスを溜めない」、「食事を減らしすぎない」、「体を冷やしすぎない」、「適度に体を動かす」について説明します。

 

朝食をしっかりと食べる

一つ目は、朝食をしっかりと食べることです。朝食を食べることで胃腸は刺激を受け、動きが活発になります。便秘の改善には胃腸がよく動くことが必要なため、朝食を食べることがとても大事になります。

胃は夜、寝ている間に空っぽなります。そこに朝食が入ることで刺激を受けて動き始めます。すると、胃に続いて腸も動き始め、便が肛門にむかって推し進められます。その結果、便意を感じて排便に至るのです。

朝食に果物を取り入れる

朝、忙しくて食事を作ることができない、食事を食べている時間がない人は多いと思います。そこで、朝食に果物を食べることをおすすめします。果物は食べやすい上に、水分や食物繊維をたくさん含んでいるため、便秘に効果があるからです。便秘の解消には十分な水分摂取と食物繊維の摂取が有効ですが、果物を食べることでこのどちらも満たすことができます。

例えばバナナ1本であれば皮をむいて食べ終わるのに数分あれば十分です。このように果物の摂取により、忙しい朝でもたったの数分で、便秘の解消に効果がある水分と食物繊維を摂取することができます。

朝食をとることにより胃腸が刺激され、便通が改善します。とくに朝に果物をとるとより効果的です。

便意がなくても朝食後にはトイレに行く

2つ目は、便意がなくても朝食後にはトイレに行く習慣をつけることです。なぜなら、大腸のはたらきは、朝ご飯を食べたあとに最も活発になるからです。

慢性の便秘症の人は、便意を感じにくくなっています。ですから、腸のはたらきが最も活発になる朝食後という大事なタイミングを逃さず、たとえ便意がなくてもトイレに行き排便するようにしましょう。

便意を我慢しない

便意を感じたら我慢をせずに排便につなげられるように意識します。便意は我慢をすると鎮まってしまい、排便しにくくなってしまうからです。

朝は忙しく、せっかく便意を感じてもトイレにゆっくりと座っている時間がない人がほとんどでしょう。ベストな方法は朝早く起きて時間を確保することです。可能ならジョギングやストレッチなども加えるとなおよいです。しかし、毎日忙しくて夜眠るのが遅くなり、朝早くになど起きられない人もいるでしょう。

そこで、そのような人におすすめなのが通勤、あるいは通学途中に使用可能なトイレをあらかじめチェックしておくことです。自宅でトイレの時間を確保できないとしても、使いやすいトイレが頭に浮かぶようにしておきましょう。そうすれば、便意を催した際、電車通勤の場合であれば途中下車してトイレに行く、自転車や徒歩で通学している場合であれば途中のコンビニエンスストアのトイレを借りるなどをして、便意を我慢せずにすみます。

このようにして、最も腸のはたらきが活発になる朝食後にトイレに行く習慣を身につけることが大切です。

1日1.5~2Lの水分をとり、便の柔らかさを保つ

3つ目は、1日1.5~2Lの水分をとることです。十分な水分をとることによって便が適度に柔らかくなり、スムーズに排便できます。

適度な柔らかさの便は、水分を70~80%程度含んでいます。これより水分が多いと下痢便になり、少ないところころとした硬便(こうべん)になります。

体内の水分が不足すると、排便しにくくなります。その理由は、便の水分が不足して硬便になるからです。便は硬いと腸の中を通過しにくくなり、腸内にとどまる時間が長くなります。

起床後すぐの飲水は腸を刺激して腸の動きを活発にする

では、いつ、どれだけの水分をとればよいのでしょうか? 朝起きがけにコップ1杯の水を飲むことがおすすめです。朝は胃腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)がもともと起こりやすい時間帯だからです。蠕動運動とは、食べ物を口側の消化管から肛門側の消化管に送り出すための動きのことです。

朝にコップ1杯の水を飲むことで便が適度に柔らかくなるだけでなく、蠕動運動がさらに促され、排便につながりやすくなります。胃に水分が入ると胃腸は刺激され、蠕動運動を始めます。

便を適度な柔らかさに保ち、すんなりと排便するためには、朝起きがけにコップ1杯の水を飲み、その後もこまめに、1日1.5~2Lの水分を体内に取り入れることが大事です。

ストレスを溜めない

4つ目は、ストレスを溜めないことです。その理由は、ストレスにより自律神経の働きが乱れるからです。

自律神経とは胃や腸など、内臓の機能を司っている神経です。そのため、胃腸の働きに悪影響を与えます。

そうならないためには、趣味がある人は趣味を、スポーツが好きな人はスポーツを楽しむ、睡眠不足もストレスの原因となるので睡眠環境を整える、朝、昼、夕の食事を規則正しくとるなどが大事です。

ストレスを解消することも胃腸の働きの改善につながるので、便秘の解消には大切です。

食事を減らしすぎない

5つ目は、食事を減らしすぎないことです。なぜなら、食事を減らすと腸の動きが悪くなるからです。ある程度の量の食事をとることで便が十分に作られます。食事が少ないと腸が刺激を受けないため、腸の動きが悪くなるのです。

例えばダイエット中など、食事の量や頻度を減らしすぎると便秘になります。痩せたいけれど便秘を悪化させたくないという人は、食事の質に注目してください。

具体的には食事の量を極端に減らさずに摂取カロリーを減らすようにします。キュウリなどの野菜やこんにゃく、しらたきなどは、量はあるけれどもカロリーはほとんどありません。お腹にたまるけれども体の脂肪にはならないということです。

ダイエット中も食事の質を考えれば便秘を悪くさせずにすみます。

このように、食事の量を減らしすぎると便秘になるので、極端なダイエットは控える、もしくは食事の質を考えることで便秘の悪化を予防します。

体を冷やしすぎない

6つ目は、体を冷やしすぎないことです。冷えは胃腸の働きを低下させるからです。体が冷えると血流が悪くなり、手足や内臓をめぐる血液が不十分になります。その結果、胃腸の働きが低下し、便秘を引き起こすのです。

体を冷やしすぎないためには、冷たい食べ物や飲み物の取り過ぎを控える、寒い服装は避ける、腹巻きやカイロなどでお腹周りを温める、熱すぎないお風呂にゆっくりとつかる、有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)をすることを意識しましょう。

このように、体を冷やしすぎないことも便秘の解消に役立ちます。

体を動かして筋肉を使う

7つ目は、適度に体を動かすことです。なぜなら、運動することでお腹の周りの筋肉が動き、腸に適度な刺激を与えるからです。その結果、腸のはたらきが活性化されるのです。

たとえば、散歩(ウォーキング)が効果的です。散歩は手軽に始めることができ、怪我をするリスクが小さいです。また、血液の循環を良くし、ストレス解消にもなり、自律神経の働きを整える効果があります。

便秘にとても効果のある散歩ですが、習慣にすることが必要です。はじめは少し近所を歩くだけでもよいです。慣れてきたら歩く時間を少しずつ長くし、移動距離も伸ばしましょう。それにもなれてきたら次に歩幅を広くし、呼吸を深くしながら歩くようにします。ここまでできれば立派なウォーキングです。

また、ウォーキングでは腹筋を中心とするお腹周りの筋肉を鍛えることができます。排便には腹筋の筋力を使ってお腹に圧力をかける必要があります。(この圧力を腹圧といいます。)ウォーキングを習慣にすることで腹圧がしっかりとかけられるようになります。

このように、体を動かすことで腸の働きがよくなり、排便しやすくなります。

まとめ

ここでは便秘を改善する7つの生活習慣である、朝食を食べる、朝食後にトイレに行く、水分を十分にとる、ストレスを溜めない、食事を減らしすぎない、体を冷やしすぎない、適度に体を動かすことについて解説しました。

下剤は値段も安く、手軽に排便できますが、自分の力で排便する力を衰えさせ、長引く便秘を引き起こしてしまうというデメリットがあります。ですから、下剤に頼るのではなく、日常的にこれらの工夫を行い、少しずつ腸の動きをもとに戻しましょう。その結果、便秘は必ず改善します。

1度に7つの生活習慣のすべてを取り入れるのは難しいかもしれません。ですから、まずは自分が取り組みやすい習慣を一つ選び、それを継続できるように努力しましょう。一つができるようになったら次に別の習慣に取り組めばよいのです。その結果、少しずつでも便秘が改善することが実感できるでしょう。

 
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