人によって腸内細菌の構成が違います。構成はさまざまに異なりますが、大きく分けるとヒトの腸内細菌叢は3つに分けられます。この分類のことをエンテロタイプと呼びます。

エンテロタイプとは、腸内細菌叢のパターンのことです。エンテロは「腸」を、タイプは「型」を指します。

エンテロタイプは人種や年齢、性別などとは関係ありません。それらよりもむしろ、長い間の食習慣や住んでいる環境と強い関係があります。

実際、腸内フローラの細菌の構成は双子でも多少異なることが分かっています。

エンテロタイプは炭水化物、タンパク質、脂肪、食物繊維などの普段の食事内容によって決まるところが大きいと考えられています。

長期間の食事内容はエンテロタイプに影響を与えますが、短期間の食事内容はほとんど影響を与えません。

具体的には、ヒトの腸内細菌叢は下記の3つに分類できます。

  • Ⅰ型:バクテロイデス(Bacteroides)エンテロタイプ
  • Ⅱ型:プレボテラ(Prevotella)エンテロタイプ
  • Ⅲ型:ルミノコッカス(Ruminococcus)エンテロタイプ

以下でそれぞれについてみていきます。

Ⅰ型:バクテロイデスエンテロタイプ
バクテロイデス属が優位なエンテロタイプをバクテロイデスエンテロタイプといいます。炭水化物の摂取が少なく、動物性タンパク質や脂質の摂取量が多い人に多いです。

バクテロイデス属は以前は悪玉菌に分類されていました。しかし、最近の研究ではバクテロイデス菌の中には短鎖脂肪酸を生成して脂肪細胞に脂肪が取り込まれるのを抑制、筋肉に作用して脂肪を燃焼させるなどの働きが確認され、肥満を防止する作用があることが分かってきました。このような事から、バクテロイデス属は現在は日和見菌に分類されています。

Ⅱ型:プレボテラエンテロタイプ
プレボテ属が優位なエンテロタイプをプレボテラエンテロタイプといいます。炭水化物、とくに食物繊維の摂取量が多い人に多いです。

難消化性の食物繊維の摂取が多いアジア人、中南米やアフリカの人々に多くみられるタイプです。

プレボテラ属は口腔内細菌に多くみられる嫌気性グラム陰性菌の一種です。プレボテラ属は歯周病や深頸部の感染症、誤嚥性肺炎と関連があります。腸内フローラがプレボテラエンテロタイプの人は口腔ケア、歯磨きなどにより歯周病を予防することが大切です。

 

Ⅲ型:ルミノコッカスエンテロタイプ

ルミノコッカス属が多いエンテロタイプをルミノコッカスエンテロタイプといいます。

ルミノコッカスはグラム陽性菌で、フィルミクテス門の多くを占めています。

日本人やスウェーデン人の8割以上の人の腸内細菌叢はルミノコッカスエンテロタイプです。

腸内にルミノコッカス属が増加するとバクテロイデス属が減ります。

ルミノコッカス属は糖質の吸収と脂肪の蓄積を促進します。また、脂肪組織からの炎症サイトカインの分泌を促し、脳梗塞や心筋梗塞、腎臓病などの原因となります。

 

ルミノコッカスエンテロタイプの人に肥満が多いのにはこのようなことが関わっています。

 

 
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